コラム

 公開日: 2014-05-24 

裁判事件はまず相手の住所調査から

マイベストプロでは成年後見業務が全面にでていますが、司法書士は不動産登記や会社登記がメインの仕事です。また、140万円までの民事裁判については、弁護士と同じように依頼者を代理して法廷に立つこともあります。

家賃滞納によるアパートの明渡しや放置自動車の収去訴訟など依頼を受けることがありますが、その際まず相手方の住所を確認するところから始まります。裁判は郵便が相手に届かないと手続が進んでいかないからです。アパートを借りている人が必ずしもその部屋に住んでいるとは限りません。セカンドハウスとして、資料置き場として、趣味の部屋として、部屋を借りる理由は人それぞれです。また最初は住んでいたけど、家賃を滞納してどこかに行方をくらますということもあり得ます。そこでこのような仕事の依頼を受けるとまずは住民票の調査から始めるのです。(司法書士は事件の依頼を受けた場合、その職務の範囲内において相手方の住民票を職権で調査することができます)

住民票が取得できない…

しかしながら往々にして住民票が取得できないケースがあります。まず、入居時の審査の際に、必要書類として住民票などの公的書面を提出させずに賃貸借契約を締結するケースがあります。入居者は住所をその契約書に記載をしますが、住民票上の住所であるかどうかはわかりません。
「印鑑証明書や運転免許証のコピーあるから大丈夫♪」と考える方もいるかと思います。確かに本人確認という意味では公的書面ですから有効な資料となります。ただ、印鑑証明書や最近の運転免許証は「本籍」の記載がありませんので、いざという時に相手の住民票を取得することができない場合があるのです。
例えばA市にあるアパートの契約をしました。契約時はそのアパートに住所を移しました。契約直後にB市に住民票を移しましたが、そのまま大家には告げず、そのアパートに住み続けました。それから6年後相手は行方をくらましました。また家賃もその時で6ヶ月滞納していました。そこで大家は家賃滞納による明渡訴訟を提起することになります。裁判の準備として住民票を取得しようとA市の市役所に請求しても「住民票はありません」と言われてしまいました。
住民票は徐票(A市の住民ではなくなったこと)になってから5年を経過すると廃棄処分となってしまいます。従って、入居当初は住民票上の住所がわかっていたとしても、アクションを起こそうとした時点において相手の住所がわからないという事態が発生することがあります。
本籍がわかっていると「戸籍の附票」という住所の変遷がわかる書類を取得することができます。本籍地が分かっていると、いざという時の初動対応が迅速に行うことができるのです。ただ一方で本籍地が分かっていても「筆頭者」が分からないと戸籍は取得することができません。従って、【本籍付住民票】を入居時に入居者から貰い、契約書とともに保管することをお勧めします。

駐車場の契約にはさらに車検証のコピーも

駐車場の放置自動車の収去の場合は、自動車の所有者を訴えます。駐車場を借りた人も当然訴えるのですが、借りた人がその自動車を所有しているとは限りません。他人から借りている自動車かもしれませんし、家族名義の自動車かもしれません。借りた人と自動車の所有者が異なる場合は、双方を訴えることとなります。
また、放置自動車の訴訟などでは、その自動車の特定として車台番号など、車検証を確認しないと判明しない情報を必要としますので、車検証のコピーは重要な証拠書類となるのです。
以前担当したケースでは、契約時に車検証のコピーを取得していなかったのですが
、その後裁判の文書送付嘱託という手続を利用して、軽自動車協会から車両照会の写しを取得したところ、駐車場を借りた人と所有者が異なり、さらにその所有者は死亡しており、加えて駐車場を借りた時点で既に車検が切れていた自動車であったことが分かりました。
駐車場とはいえ、トラブルになることもありますので、本籍付住民票の他に車検証のコピーも合わせて提出していただくことをお勧めします。

契約時の審査が『鍵』

契約時の審査を厳しくすると借りてくれる人がいないということを言われる方もおります。しかし後でトラブルになった場合、訴訟費用や廃棄費用などで数十万円という費用を支払って法的解決を図ることとなりますし、また契約して何経ってからそれらの書面を提出することに難色を示す人いると思います。
何事も最初が肝心ということです。

この記事を書いたプロ

司法書士法人わかば法務事務所 [ホームページ]

司法書士 久保隆明

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